硯(すずり)
見事な硯です。童心に返り、無邪気だった幼き日を想い出させるような、そんな面持ちです。あぁ、懐かしいなぁ。あれは小学校の頃だっただろうか、習字の授業中に硯を落として割ってしまって、家に持って帰って瞬間接着剤で修理したなぁ……あの時の硯に瓜二つだ……
墨池(ぼくち)
これまた見事な逸品です。見ているだけで甘い香りが漂ってきそうな風合いで、まるでチョコレートを頬張った時のような感覚になります。こんな墨池に墨を入れたら間違って墨を舐めてしまいそうで、人の心を惑わす魔具の類かもしれません。そんな甘ったるいようでいて戦慄を覚えるような美しさの墨池をどこで手に入れたのか気になります。
全体と通して
「 高級な道具は要らない 」 の言通り、そこら辺にあった物を使っているようです。硯は物持ちが良いのか、子供のを奪ったのか不明ですが大方そんなところではないでしょうか。墨池に至ってはチョコが入っていた缶を使っています。そのチョコだっておみやげで貰ったとかでしょうから費用はゼロです。素晴らしいとしか言いようがないです。